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TBSがTBS関連の番組や映画を有料配信しているサービス「TBSオンデマンド」が2018年6月30日をもってサービスを終了すると公式サイトで告知されました。
告知内容は、TBSオンデマンド公式ページを参照。

既存のユーザーは、TBS以外のコンテンツも配信する「Paravi(パラビ)」が、最大2カ月間無料となる、のりかえプランが用意されているそうです。

Paravi(パラビ)」は、TBSやテレビ東京、WOWOWで放送されたドラマやバラエティ、アニメ、映画、報道やオリジナルコンテンツなどを定額見放題でサービス提供している有料配信サービスということです。

TBSオンデマンドでは、基本的に、TBSが製作著作しているものか、TBSが許諾を受けている著作物が配信されており、TBS以外の第三者の著作権者は、TBSオンデマンドのフッター部分に、多くの著作権者が明記されています。また、ジャスラックの許諾番号なども明記していることから、著作権者への使用料率も設定して利益配分されているものと思われます。

TBSオンデマンドの料金プランは、登録だけは、「無料」です。「無料」プランは、無料対象のコンテンツだけが視聴できます。そのほかには、月額見放題の「プレミアム見放題コース」が月額900円で、すべてのコンテンツが閲覧できます。コンテンツ単体ごとに利用する場合には、「月額ポイントコース」があり、それぞれ、月額、300円、500円、1000円、2000円という設定があります。

TBSオンデマンドのコンテンツは、ドラマであれば、1話ごとに、300ポイント消費。映画では、1本で500ポイント消費するという形で、コンテンツによって、様々なポイント設定になっていますが、月に2本以上利用する場合には、900円の「プレミアム見放題コース」がお得な感じがします。

しかし、月額で900円だと、TBSのコンテンツだけで、どこまでユーザーを獲得できるのかというのが、会員獲得の焦点になってくると思います。

他社の有料配信コンテンツサービスでは、コンテンツ単体で、300円や400円で販売している場合、そのコンテンツを第三者(つまり顧客、ユーザーですね)に配信する場合の著作権許諾使用料金は、価格の38%です。

仮に、300円で販売しているコンテンツをユーザーが購入すると、
300×38%=114円(著作権許諾使用料金)
となります。

TBS自体が著作権者である場合は、その金額は、そのまま利益となり、第三者が著作権者の場合は、その著作権者に分配する金額となります。

一度、作ったコンテンツとはいえ、著作権使用料金は、低廉ではない為、多くのユーザーを獲得するか、単体のコンテンツをたくさん販売するか、しないと、利益がなかなか出せません。

そのため、コンテンツの二次利用で、簡単に商売ができそうなイメージがあるかもしれませんが、意外と経営は難しいのではないか?というのが、正直な印象です。

実際、今回のTBSオンデマンドは、他社のコンテンツも配信している、「Paravi(パラビ)」と合流するようで、
より多くのコンテンツを提供して、ユーザー獲得しなければいけないという結論になったのではないかと思います。

無料のコンテンツは、もちろんありましたが、見逃し配信では、「TVer(ティーバー)」で、かなりのコンテンツが無料で見れますし、TBS以外の局でも、独自にそれぞれコンテンツ配信しているので、TBSオンデマンドとしては、自社だけのプラットフォームよりも、コンテンツが充実しているプラットフォームでの配信が良いと、選択したのだと思います。

NHKオンデマンドも、膨大なコンテンツがあるにもかかわらず、ユーザー獲得には、ずいぶんと苦戦し、時間がかかったと言われています。

とはいえ、YouTubeでの無料配信やその他の動画配信への対策もあるため、コンテンツを勝手に利用されず、コンテンツの二次利用で、自社の利益の源泉を守り、新しいコンテンツの創造をするための有料配信やユーザー獲得が必要不可欠なのだと思います。

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投稿者プロフィール

画風
画風~伝える、わかる、ひろがるをあなたへ。~
大学を卒業して、映像プロダクションに勤めました。
数社を渡り、福岡市インキュベート施設で独立。

2000年:映像音響処理技術士
2013年:マルチメディア検定エキスパート
2014年:Webデザイナー検定エキスパート